京阪四条の駅名改称に思う

1980年当時の下り四条駅

今年も夏がやってきました。京都の夏といえば祇園祭。見に行かれる方も多いでしょう。
本日はその祇園祭にも関連したお話。

 

最近京阪電車のHPに次のように発表されています

京阪線3駅の駅名を変更します!中之島線開業時に合わせて実施。京都の観光路線としてのイメージをより一層強調します

 

ということで、3駅とは
 丸太町→神宮丸太町
四条→祇園四条
五条→清水五条 
となる由で中ノ島線開業の10月19日からとなります。それぞれの駅に近い観光地のイメージを駅に結び付けて定着させるのが主な狙いのようです。また京都市営地下鉄烏丸線に3つとも同名の駅があることから誤乗を防止するという意味もあります。ですから同線に同名駅のない三条、七条についてはこのままとされました。古くから慣れ親しんだ駅名が変わるというのはそれなりに大変なことだと察します。

 

さてここで取り上げるのはその中の四条のことであります。「祇園四条」、なるほど駅から東に歩けばそこは祇園と呼ばれる繁華街の地域。四条通の突き当りには八坂神社が建ち京都で「祇園さん」といえばこの神社のことを指します。山門の前では観光客が記念撮影をするのもよく見られ全国的に知られた観光地であることも示しています。

 

こう見ると祇園四条という駅名がこの地域にふさわしいものと多くの人が頷かれることでしょう。しかし私はあえて?をつけたいと思います。そこで皆さんに質問です。

 

あなたは大阪にいます。祇園祭宵山の日、あなたは鉾や山を見に行きたいと思いました。京阪、阪急、JR、あなたはどの電車で京都へ行くでしょうか?

~近未来想定~
祇園四条という駅がある京阪が一番便利なように考え京阪特急に乗りました。電車は混んでいるけど降りたらすぐに祭が見られるだろうな、なんて思いつつ…
さあ駅に着きました。大勢の人が降りるのに身を預けて改札を出て地上に上がる。今晩四条通は自動車シャットアウトの歩行者天国。さあ鉾の場所まで歩こう。祇園は東の方角か、でもそっちには鉾なんてないしみんな歩いていないなあ。みんな反対の方向へ歩いていくしこちらに鉾があるようだ。四条大橋を渡り四条河原町の交差点へ来る。うわあ、この先の人の多さったらとても歩けるものじゃない。友達とはぐれないようにしなくては。小さい子供を連れて歩くのは危険だ。でもまだ鉾は見えない、いったい祭りはどこでやってるの?

 

のろのろ進んでほぼ1時間、大丸を過ぎた先にやっと一つ長刀鉾が立っていた。う~ん、巡行のとき先頭に立つだけあって威容のある鉾だな。でも人に押されてゆっくり眺めていられない。といったところで他のいくつもの鉾はまだ烏丸通を越えた先にあると聞いてガックリ。もう体力は限界、とてもそんなに見て回れない。夜も遅いし明日も仕事、もう帰ろう。京阪の駅まで戻る元気はもうないよ。ああ、ここの地下に阪急の烏丸駅があるのか、それに乗って帰ろう。最初から阪急でここまで乗ればよかった…

 

そうです。

京都以外の人で「祇園祭祇園でやっているもの」と思っている方がおられます。

そう思って京阪で(祇園)四条までいくと上記のような大変な目にあうこと必定です。四条駅の祇園四条への改名はそんな誤解を増やす誘引になりそうで気がかりです。祇園祭へは阪急京都線で烏丸下車をお勧めします。
以上、年寄りの冷や水ながら関係者各位に一考をお願いしたく筆をとりました。