「巨人-阪神」殺人事件

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1992年5月20日に巨人-阪神戦が行われている東京ドームの地下駐車場で女子大生が腹を刺されて死んでいた。警視庁は殺人事件の疑いで捜査を開始したが犯人逮捕につながる決め手がない。
所変わって富士山麓にある「恐怖の洗脳工場」と呼ばれる管理者養成所でその巨人-阪神戦を見ながら進められていた研修中に被害者のものと見られる帽子と応援メガホンが見つかった。その関連は、犯人の足取りはどこへ? 謎解きは試合の進行と共に進められていく。
巨人-桑田、阪神-湯船の先発で始まった試合は逆転に継ぐ逆転で行方はわからない。事件は現場の東京ドームと管理者養成所とを中心に展開してこちらも行方がわからない。試合と事件展開が同じ時間の流れの中で経過していき試合終了と共に事件は解決していくのだがそこに意外なからくりが。

 

1992年当時の巨人-阪神両軍の選手名はいまや懐かしく原や岡田が現役選手として名を連ねている。またこの作品の重要テーマは管理者養成合宿といった類の研修の胡散臭さであろう。このようなものを受けて自分が変わっていくなどと信じるのはあまりに危険でそれを受けさせる企業も人材管理の仕方を分かっていないと作者は言おうとしている。