善峰(よしみね)寺

晩秋の晴れた日、紅葉を愛でる時候である。京都には数々の紅葉スポットが知られているが、その一つ京都市西京区にある古刹「善峰寺」を訪れた。同寺の創建は古く平安時代にさかのぼるが応仁の乱で焦土と化し江戸時代になって将軍綱吉の母桂昌院によって再建されている。境内一円に広がる紅葉の美しさもさることながら樹齢600年を数える「遊竜の松」が有名である。

 

アクセスはJR向日町または阪急東向日から阪急バス善峰寺ゆき乗車、終点下車である。阪急東向日から乗車することにし朝9時に駅へ着くやすでに50人以上の人が並んで待っていた。バスはJR向日町駅始発なのだが発車時すでに満員となっていたので急遽東向日発の臨時便が運行された。それに乗るのもこの有様。なお1~2月は一つ前の停留所で運転打ち切りとなり寺の前まで行かないので注意。
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バスを降りてからも急坂の参道を登って行く必要がありかなりこたえる。やっと山門をくぐり入山料500円を払って本堂に着く。本堂は観音堂とも呼ばれ十一面観音菩薩が祀られており参拝者で賑わっているが、ここは序の口。山肌に沿って奥深く境内は広がる。
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遊竜の松の枝が伸びるその後ろにも紅葉が色づいている。春には右に見える枝垂れ桜が彩りを沿え、侘びの中にも四季の移ろいを見ることができる。
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松が途切れると京都市街が一望できる場所に出る。風景を赤いモミジの額縁にはめてゆっくりご覧ください。
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釈迦堂を経て奥の院へと続く上り坂の始まり。この辺の紅葉が一番鮮やかだと感じた。
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奥の院の後方にある池のほとりにも水面を染める紅色が。
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一回りして本堂まで戻りその傍にある寺宝館文殊堂にも立ち寄る。紅葉に劣らない鮮やかな仏画桂昌院や綱吉ゆかりの品々が無料で展示されているので一見の価値あり。建物の前から山門を眺めたところにもきれいな紅葉が見られる。
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行きのバスは満員で境内は坂道や階段が続くが、ゆっくりと見て回ることができ秋の休息には手ごろな場所であった。これだけで帰ってしまうには惜しい好天である。

 

2010.11.21 参拝